他郷に入り…

国境を越えてきた兄弟

ベトナムお好み焼きと呼ばれるものに、Banh Xeo(バインセオ)というのがあります。なんでお好み焼きだかわからないけど、小麦粉を薄く引いた上にエビや、もやしを置いて焼くからかな?でも食べ方は日本と違って、その薄いお好み焼きを、ハーブと一緒に生春巻きの皮で巻いてあっさりしたタレにつけて食べます。おいしい♪

そのBanh Xeoを食べに屋台に行ったときのこと、屋台の端で楽隊が演奏をしているので「あれなに?」と聞いたら「物乞い」とのこと。そういえばベトナムは物乞いする人がいます。いるといっても、インドほどわらわらいるわけではなく、しかもインドほどしつこくない(笑)
日本にもホームレスと呼ばれる人たちはいるけど、物乞いは文化じゃないみたいですね。渋谷でも、なんだかみんなで協力して自立生活しているもんね。

ベトナムで物乞いをしている路上生活者には、農村部から入ってきた人たちや、またはカンボジアラオスから入ってきた人たちがいるようです。カンボジアラオスから来た人たちはもちろん違法入国なので仕事に就くことすら難しいでしょうが、政府が都市への人口流入を抑えたいために、農村部のベトナム人も都市で財産を持つことができないなど、なにやら大変らしい。

ところがLyさんたちに言わせると「彼らは仕事持ってますよ。それに組合があって、ちゃんと組織化されてる。私たちよりお金持ち〜。」と!!
なんと物乞い組合が存在するらしい!
「今月の目標月収は何百万ドンです!みんな協力して稼ぎましょう!」「えいえいお〜!!」とか?「今日の議題は、“雨季中の就寝場所割り当て”です。」とか?想像してしまた。。

でも確かに、日本のホームレス社会にも縄張りがあって組合があるんだから、それと同じことかも。そう思って彼らをよく見てみると、物乞いしていたり、宝くじ的なものを売り歩いていたり、たまにはカフェ(といっても、最も質素な。道端に日除けとプラスチックの椅子だけがある所。)で休んでいたり、する。

なるほどねぇ。旅行で行くと自分の国との差異ばかりが際立つけれど、一見意味不明に見える事にも実はちゃんと意味があって背景があって、全ての活動は何かに所属して成り立っているものなんだなぁと。そういう当たり前の事実を、身を以って理解する今日この頃。他郷に入り人間社会の何たるかを知る(ちょっとだけネ)、です。

(Lyさんたちが「私たちよりお金持ち!」と言ったのは、彼女たちの職業である大学教師は名誉職ですが、とても給料が低いことで有名だからです。一種の冗談か、はたまた本気か。。)