エジプトおぼえがき その2

書こう書こうと思ってて書けなかった“おぼえがき2”。遅くなりましたが、書きます!↓
エジプトでは本当によく話しかけられた。ドラクエで草原を歩いている時のモンスター遭遇頻度程度に、エジプト人が話しかけてくる。挨拶や、身の上話なんだけど、商売人だけでなく普通の通行人も話しかけてくるのでびっくりです。今回は、記憶に残ったエジプト人について。


3位 エリート風エジプシャン
道ばたでアイスクリームを食べていたら「お茶しましょう」と誘われた。質のいいスーツに革の鞄のエジプシャン、どうも仕事の合間の暇つぶしらしい。私たちとしても暇が有り余っていたので一緒に暇をつぶさせてもらうことにしたのですが。これが地位や役職を人間の価値に置き換えて生きているタイプの人間で、一般人がいかに遅れた考えを持っていて、それに比べて自分がいかに先進的な考えを持っているかということをトウトウと話し続けて去っていきました。久々に会った、ああいうタイプの人。笑。でも自満話の程度が甚だしいため、なんというか、もはや憎めないレベルに達していて、忘れがたい。


2位 助けてくれたエジプシャン
長距離列車にトラブルは付きもの、ですが、今回は1日早く列車に乗るという失敗。でも不幸中の幸い、みなさん本当に見ず知らずの日本人に優しくしてくれて、深夜だというのに満員の列車を行き来して空席を探してくれたり、しまいにはおじさんの一人が「いいからいいから」と言って自分の友人の席を譲ってくれました。(ちなみに年下の友人は「席を譲ってやれ」と言われて嫌とは言えず。申し訳ない。。)
見るからに”ボロボロ”な貧乏旅行中の学生にこんなに親切してもらって、とてもありがたかった。ええ人やぁ、エジプト人


1位 かっこいいエジプシャン
エジプト旅行で記憶に残る人1位はこのおじいさん。タクシードライバーらしいのだけど、道ばたで話しかけてきて、しばらく話をした、それだけの人。たわいもない話(どこから来たのか、どのくらいエジプトを旅行するのか、など)をしたその後に「俺は今はタクシー運転手だけど、昔はね、ボクシングをやってたんだよ。あの頃は楽しかったね、家族もたくさんいたし。」と話しだし、なんだか味があるわこの人、と思っていたら「今は、たいしたものは持っていない。毎日がだんだんと小さくなっていくよ。でもね、俺は感謝しているんだ。」と、右手で真っすぐ上を指さして、左手を自分の胸に当てて、アッラーに、アラビア語で何事かを言った。
それが、すごくかっこよかった。
アッラーは神だけど、私の言葉でいえば、運命だ。身の上話をしているときに、後悔とか、寂しさとか、そういうものがそのおじいさんの中に在るということが、滲んで伝わってきたにも関わらず、「アッラーに感謝している」と言った時の嘘のなさ、潔さ、それがとてもかっこよくて、人生って、奥深いなと思ったのでした。