Tra Senと道端のおっさんたち

泥の中でも美しく咲く粋なヤツ

ベトナムの国花は蓮。日本人が桜を好きなように、ベトナム人は蓮が好き。“自分たちの特別な花”と思って大切にしているといいます。日本人とベトナム人は感性が似てる、と暮らし始めてよく思うけど、蓮という特別な花に対するベトナム人の感情も、日本人の感性に似ている気がします。

右の写真はなんだかスペシャルな雰囲気を醸しちゃってるけど、蓮はベトナム人にとって神聖というよりも一番身近で親しみのある花みたい。たくさんのおじさんたちがTra Sen(チャーセン。Tra=茶。Sen=蓮。)と呼ばれるハス茶を飲んで昼間からぼーっとしています。「このおっさんたちは何を生業にしているのか」とかねがね不思議に思うのだけど、どうやらベトナムはお昼休みが長い。暑い国だからかな、ホストファミリーのお父さんも昼前に帰ってきて、お昼寝をしてから午後2時頃再び仕事に出かけます。また、道端でゴロゴロしているおじさんたちの場合はバイクタクシーの運転手だったり、近所で商店を開いている人たちだったりするようなので自営業というか自由業というか、その状態で半分は仕事をしているようなものかも?
バイクタクシーの運転手でよく働くなぁと思うのは中国系の人たち。観光客を自分たちの街チョロンへ連れて行き、買い物をさせるのが彼らの仕事ですが、熱心に客引きをし、よく日本語を話す。道を歩いててたまに会うバイクタクシーの運転手に、チュさんだかマオさんだかという中国系の人がいます。最近会ったとき「今日の仕事はどう?」ときくと「ダメよ、今日は負けネ。もう雨フルヨ。」とか言いつつ、眼光鋭く観光客を探してました。中国人独特のガッツがこの国でも健在なことを、(ちょっと苦笑しちゃうけど)とても嬉しく思ったりします。

おう、話が飛んだけど、蓮ね、蓮。蓮はお茶の他にも、料理になったり、睡蓮という名前が示すとおり、睡眠薬としておじいちゃんおばあちゃんに重宝されたりしています。そうそう、Che(チェー。カキ氷。)によく入っている木の実も蓮の実であることが判明。
蓮についてホストファミリーと話をしていたら、弟くんが「なんで国の花か、意味がありますよ。どんな泥の中でも綺麗に咲く花だから。」と教えてくれました。ベトナムの人たちは、そういう気持ちで蓮を思っているんですね。

ベトナムエアラインの飛行機にも大きな蓮の花が描かれているので、今度成田に行くときにぜひ探してみてください。なんちゃって探すわけないと思うけど!笑

以上、蓮(+バイクタクシーのおっさん)レポートでした。