不思議とチャーミング

でたー!きたー!Mr.ハードボイルド。

その日もお店はヒマだった。(だいたい私がいるときはヒマなのだ。ィヨ!逆看板娘!)「21時、お客さんこないなぁー。こりゃ今日は店じまい?」というところへ一人、Mr.ハードボイルドは来た。
    まず座る席、もちろんカウンターの端。
    そして座り方、なんとなく斜(シャ)な感じ。
    さらにしゃべり方、囁きすぎで聞こえねぇ!
そんな風なので最初は「ちょいと、思い込みの激しい人なのかしらん」と思ったけど、違った。彼は本物だった!ホンモンだー!かっこ“つけてる”んじゃなくて、かっこ“いい”んでした。青二才にはわからんかった。かっこつけてんのかと思ったけど、あら浮ついてない。あら虚勢を張らない。そして、不思議とチャーミング。ちょっとくらい意味不明でもおバカでも恐くてもなんでも、“不思議とチャーミング”な魅力がある人間に人は惹きつけられる。そして人が集まるところに運も集まる。と思うのです。
言い換えると“懐の広さ”とか“器の大きさ”とか、“愛嬌”なんて言えるのかもしれないけど、なんとなく、似して非なり。やっぱりスパイスみたいに「なんだかよくわからないけど、効いてる!うまい!」っていう感じは“不思議とチャーミング”がぴったり♪
でも不思議とチャーミングだからって、ホンモノとは限らないようです。ホンモノは天性の素質を持って、いろんな挫折も知って、それでも自分を大切にして素質を磨けるからホンモノなんだろうな。
そしてどうやら推測、Mr.ハードボイルドは普通一般の4大卒が働くところで生きている人ではないようです。まーそうだな、あんな人、丸の内にはなかなかいなさそうだもんね(笑)どこで生きても、素敵な大人になりたいと思いました。

結局その日はMr.ハードボイルド以外にお客さんはなかった。けどつくづくここはいいお店だなぁと思います。…連日お皿割ってごめんなさい。