火事と桜と赤ワイン

ゆっこちゃんとランプシェード

中目黒に、お花見だーい!
どこもかしこも春爛漫、という噂をきき「こりゃ おいらたちも花を愛でんばネ!」ということで、ゆっこちゃんと目黒川までお散歩。チャリリン♪
やっぱり桜は水辺に映える。目黒川はお堀のように川縁が石垣になっているうえ、地上と水面の高低差が深いので散った花弁が長く舞います。さらにさらに、驚くべきことに川底が見えるほど水がきれい。澄んだ水面に桜色が映って古風で、まさに滝廉太郎(『櫂の雫も花と散る 眺めを何に例うべき〜♪』)でした。

が、話は桜以外にもまだあって、おいらたちは見た!大火事を見た!
それは一通り桜を愉しみ、川辺のお店で昼からお酒を飲んでいた時。突如たちこめる煙…ゆっこちゃんは煙が渦を巻いて通り過ぎる様を見て「竜巻だー竜巻だー!」と主張。が次の瞬間、お店から距離20メートルあるかないかの対岸にあるビルから火柱があがり火事と知る。「火事だー!」
強風のためにあっという間に隣の木造家屋に引火し、炎は窓を破り天井を落とし1時間後には全焼。時を同じくして私たちのランチも終了。
一面ガラス張りの店内から始終、燃えっぷりが見えたため、お酒飲みながらご飯食べながらの火事見物となり候ふ。確かに、火柱が立つほどの火事を目前にメシを食っている場合なのだろうか、という考えはちらついたものの、駆けつけてバケツリレーをする必要もなし、じゃあ不謹慎だから食事をやめる、もしくは火事を見ずに食事をすればいいのか、というと、それもちがうと思う。
いくら火事が近くで起きていたとしても私たちが役に立てることはなく、つまり現場からの距離が20メートルだろうが100メートルだろうが、見えようが見えまいが、そのことにあまり変わりはなく。ただ火事と私たちの食事は、お互い見える距離にあって交わらない世界に在ったのでした。うーんどうも妙な経験だった。

ちなみに事後情報ですがこの火事、11棟を焼き、ヘリや消防車など30台以上が出動したんだそうです。死者がでなくて何よりですが、あそこで逃げていたたくさんの人が家を失くしたり放水で部屋をダメにされたりしたことと思います。あの人たちは今日どうしてるんだろうと思います。一日もはやい日常の回復をお祈りします。

◆HUIT(今回私たちが野次馬ランチをしたお店。天井が高くて窓が大きくてゆったりした素敵なカフェでした、中目黒駅の近くです。)
住所 目黒区中目黒1-10-23 リバーサイドテラス1F
     (目黒川沿い。駒沢通り右折後すぐ)
電話 03-3760-8898
営業 11:45〜 翌2:00(日・祝〜22:00)