世界観について

レスター手稿とはコレナリ

「実は、世界って現代に向かうにつれてどんどん小さくなっているんじゃないかなぁ…。」と、思ったことについて。

なんでそう思ったかっていうと、ダヴィンチのレスター手稿を見たのです。(結構前だけど…)すごいんですよ、その真理を求める情熱というか執念というか、果てしない好奇心と超人的な想像力。彼が生きたのは1452〜1519年、コペルニクスが地動説を唱え、コロンブスが新大陸を発見したのと同時代。その時代を想像すると、すごくわくわく。今よりずっと人々の世界観は自由で豊かだったんだろうなぁ、いいなぁ。

それに比べて現代って、自分の“世界観”を築くことが難しい時代だなぁ、と思ったり。例えばダヴィンチの手稿を見ると、「月の満ち欠けって何?」「波って何?」「人体って何?」っていうような等身大の疑問から各種の観察をはじめて、その経験から自分で「世界とはこういうものだ」という風に世界観を築き上げているけど…現代に生きる私たちにとっては、生まれたときから月は太陽光の反射によって光ると決まっているし、大気があるから波が起こるとも決まっているし、人間の体は毛細血管さえCGで再現できるんだもんね。もちろん科学の恩恵は受けてるんだけど、想像力の入り込む隙がなくてちょっと残念。自分の経験から等身大の世界観を作るというプロセスを経ずに、既成の世界観だけを事実として受け入れるんじゃ、人間の想像力は先細ってしまうんじゃないかしらん。

歴史が進むほど、人間は自由になってきたのか、疑問。

http://www.roppongihills.com/jp/feature/reonardo-da-vinci/index.html
 ↑森美術館で13日まで見れます〜、手稿。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410472601X/250-0905025-1982651
http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/20050213/1.html
 ↑最近薦められて読んだ本。文章が饒舌で引き込まれます。