マンゴーとゴミ山と

夕立のあとの水たまり

今日はエリック(オランダ人)・パブロ(メキシコ人)・和華ちゃんとタイフードフェスティバルに行きました。マンゴー!タピオカ!ココナッツ!なんというしあわせ!

『誰も知らない -Nobody Knows- 』見ましたか?カンヌで主演男優賞を取ったと話題になった映画ですが、前に是枝裕和監督のインタビューを読んで「なんだか素敵な監督だな」って思っていたのです。映画を見ると、まさにインタビューで読んだ“是枝監督らしい”映画でした。きっと、正しい演技というものを求めずに、いろいろなものを許容する姿勢がまず始めにあって、そこから生まれた映画なんだろうなぁ…と。そういう、華美のない、シンプルでリアルな映画でした。

いや、今回は映画の話ではなくて。『誰も知らない』を見ながら、フィリピンのゴミ山で暮らす女の子のドキュメンタリー番組を思い出したという話。その12歳の女の子は父親を殺されて、病気の母親と幼い弟2人を養わなくちゃいけないんですね。毎日毎日ゴミ山からリサイクルできるゴミを拾い集めるんです。母親と弟たちの世話も、家事もその子がやらなくちゃいけないの。
それでなぜ『誰も知らない』がそのフィリピンの女の子を連想させたかというと、映画の中の極限的に悲惨なはずの生活が割と“普通”に描かれていたから。映画の中の子供たちもお金が底を尽きてホームレスのような生活をしているんだけど、たまにはお菓子を買ったり、ベランダで一人一人カップ麺の容器に雑草を育てたりして暮らしているんです。フィリピンの子も厳しい生活ではあるんだけど、ゴミを洗うために汚れた海に入ってる時なんか楽しそうにしてたりして。
それらを見た時に違和感を覚えて、ん?って考えたところ“この人たちは極限的に悲惨であるはず(べき)だ”という自分の認識というものがあり、そういう私の認識って差別的だなと感じた、という話だったんです。一応今回の話は。
そして人間って生き続ける以上、どのような境遇であれ“日常”として生きていくんだなぁということも納得したという話。“日常を生きるたくましさ”に気づく今日この頃でした。
精進精進…