隣人レポvol.2

隣人2 大学の友達
彼女とは入学したときから縁があるんですね、この前の夏は一緒にインドに行ったの。といっても最初から計画していた旅行ではなくて、私が「インドに行く」と言ったら「私も一緒に行く」と言って両親に内緒でほんとにそのままついて来ました。
北国育ちでとことん暑さに弱く、インドではすっかり消耗しきってうつろに「二度と暑い国には行かない」と言っていたくせに最近の話では今度はアフリカに行くのだそうです。「おじいちゃんとおばあちゃんが、死ぬ前にもう一度おじさんが死んだ場所を見ておきたいんだって」ということで祖父母と供養参りにアフリカ旅行らしい。なんだかもう、すごい家族だ。
そんな彼女は自分のことを繊細で小心者だと思っている節があり、最近は大学内の精神カウンセラーにも通っているのですが…、それはつまり傍から見れば、自分を虚弱体質だと思い込んで毎日養命酒を飲んでいる宇宙飛行士のようなもので、本当の彼女は彼女が思っているよりもずっとタフでおおらかな人間なんじゃないかと私は思っております。
だって、彼女のいいところはどんなコミュニティにもどんな機会にもぽおん、と乗っかってしまえることなんです。彼女には自分のテリトリーと外の世界を隔てる垣根もないみたいなの。それってとても簡単そうに見えて意外と難しいことだと思って、私はすごいなって思っています。