Bud Powell について

ジャズ好き。というと“お高い”感じですが、いわゆる“ツウ”では全くなくて。ただ実家の居間にゴロゴロと置いてあったジャズCDがたまたま好きで聴き続けているというだけで。できればジャズ好きを自負される“ツウ”な(またはマニアックな)人たちに出会うことなく静かに好きな音楽だけを愛でて一生を終えたいと思っています私です、が。日曜の午後だし、つらつらと好きな音楽について書いてみようかなと思います。

そうそれで、バド・パウエル

有無を言わさぬ切実さ、果てしない一途さ。ピアノを弾くという行為そのものに対する激しい求心性。錯乱と、すべてを超えた恍惚。

彼の演奏は語ります。

魂が生き続ける術は、他に存在しない。

(↑史実や専門家の意見に沿っているのかはわかりませんが、少なくともバド・パウエルの演奏が私にそう訴えかけたことは事実だから許してください。)

崇高だった人間が、実生活や人間性の面で堕ちて簡単に卑俗になる、というのは嘘であります。本物の崇高というのは、それが宿った人間がどれほど堕ちたとしても崇高なのです。パウエルの演奏は、それを証明します。

きっと実生活や人間性の面で尊敬される部分なんてほとんど皆無だったのだろう彼が、堕ちて堕ちて堕ちた先に残した音色は崇高。です。

惚れこんで悔いなし。幸せな日曜だぁー。

(『Bud Powell in Paris』が一番好きです。いわゆる絶頂期といわれる頃の演奏ではなく、指どりもおぼつかないところがありますが、すべてが去った後に残る美しさこそ此処にあり、って感じでしょうか。いい音です。)